BABYMETALの読み方

OCEAN=オッシャンと呼ばれています。お察しの通りオッサンてす。BABYMETALについての個人的所感をボチボチ綴っていきます。

BABYMETALの2018年を振り返る⑤

【ダンサー編成から見えてくるもの】

幕張公演で初めて姿を現したCHOSEN SEVEN、即ち7人体制のフロントメンバーは、欧米ツアーから帯同していた丸山未那子と佃井皆美の他、新たに平井沙弥、大森小都乃、秋山翔子を加えた計5名のサポートダンサーを擁するものとなった。

丸山はMIKIKO率いるイレブンプレイのメンバーで、佃井はジャパンアクションエンタープライズ所属のアクション女優である。

後発の3人については今のところ全く確証はない。写真を見比べても、メイクや写り方の違いがオッサンには判別がつかない。そこは恐るべきメイトのネットワークによる情報力を信じ、あくまでその3人だという前提に立って話を進める。

秋山翔子に関しては当初、イレブンプレイのメンバーと言われていたが、公式サイトでもWikipediaでも(現・元ともに)確認出来なかった。星野源のバックダンサーを務めたり、ミュージカル・黒執事にも出演しており、その絡みからMIKIKOやイレブンプレイメンバーと一緒にいる写真もあるので、繋がりは深いようだ。


平井沙弥と大森小都乃の2人は大阪のキャレス・ボーカル&ダンススクール所属で、かつてはLaviean Linkという4人組ユニットのメンバーだったらしい。

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Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 1:29pm UTC

(※写真はLaviean Link。左端が平井沙弥、隣が大森小都乃)


平井と大森が所属していたLaviean LinkのTwitterによると、今年(2018年)4月から新たに8人組のWonder Landとして活動を始める旨の告知を最後に更新がなくなり、新たに開設されたWonder LandのTwitterは現在、削除されている。

そのアカウントで幾つかの情報を発信していた形跡があるが、今はページが存在しておらず、「平均年齢17歳の6人組ユニット」というインデックスが5月付で確認出来る。

シンガポール~豪州フェスでユイメタルポジションを担っていた平井について、「事務所が違うから新メンバーにはなれない」という声があったが、サポートであれば神バンドも他のダンサーも全員、アミューズの所属ではない。

もちろん正式メンバーとなると話は別だが、キャレスの場合はボーカルダンススクールに過ぎず、前述のユニットはあくまでスクール内ユニットだった。Perfumeも元はアクターズスクール広島のスクール内ユニット「ぱふゅ~む」としてインディーズ活動をしており、アミューズに所属してから今の名称表記になった。

キャレスの卒業生には、E-girlsのAmiやガールズバンド・SCANDALのメンバー、さらにONE OK ROCKのメンバーもいて、それぞれ卒業後の所属は違う。ワンオクのメンバーがいるということはアクターズスクール広島同様、キャレスもアミューズとのパイプがあった訳だ。


2人はそれぞれ、SAYA 、KOTONO名義でのTwitterを6月から新設していて、現在もキャレスのスクールイベント等には出演している様子がうかがえる。

従って、彼女達は今のところ大手芸能事務所に属しておらず(キャレスには属している)、今後アミューズに所属することがあれば、将来的にBMの正式メンバーとなる可能性も否定は出来ない。また、専属的なサポートダンサーとして固定するにしても、キャレス所属のままだと、いずれ他の大手プロダクションから声がかからないとも限らないから(本人達はその為に頑張っているはず)、ちょっとその動向は気になるところだ。


ところで、平井と大森の2人の足跡から、一つの推測が浮かび上がってくる。

彼女たちが所属していた4人組のLaviean Linkは、4月1日から8人組のWonder Landとしてスタートしたものの、5月には6人に減員し、その後Twitterごと消えてしまったということになる。ちなみに平井と大森の2人は2000年生まれでLaviean Linkの4人の中では年長だったから、8人組の新ユニットからこの2人が抜けたとしたら、平均年齢も下がるだろうし残り6人という人数も一致する。

キャレスの広報用ブログには、過去のLaviean Linkや他のスクールユニットについての紹介はあるのに、Wonder Landについては何もない。恐らく削除されたのだろう。

そうすると、4~5月の間のどこかでBMダークサイドにおけるCHOSEN SEVENのバックダンサーの話が舞い込み、オーディションをパスした2人が新ユニットを抜け、その後ユニット自体が解消された可能性が高い。

この推測による時系列が正しいとしたら、丸山未那子と佃井皆美の2人は4月の告知動画の前から準備されていて、後の3人はそれ以降にオーディションなり選考があったと考えられる。

欧米ツアーにユイメタルが欠場することが確定したのがいつの時点なのか分からないが、最初(4月1日)のダークサイドの告知の後、急きょ「いつ、どこで、どんな姿で」7人が揃うか分からないと後付けされたのは、1ヵ月後のツアー直前になってからである。

つまり、10月の日本公演で見せた7人体制は、当初から予定されていたCHOSEN SEVENとは違うものだったのではないか。

オリジナルのダークサイドが何人編成でどんな展開を想定していたのかはBMが存続する限り明かされないだろうが、4~5月のどこかのタイミングでユイメタル欠場が確定して、その後の復帰も危ぶまれる中で、「プランB」のための準備が欧米ツアーと平行して行われていたと見ていい。

カンザスシティ公演後に5Bマネジメントがユイメタルの不参加についてコメントした中で、「筋書きは変更された」という発言もあった。

そもそも4月の予告動画では、3人+7人の人影が列び、計10人になっていた。日本公演でその全貌が明かされたことになってはいるが、動画との整合性は得られていないのだ。


かと言って、欧米ツアーでユイメタルが復帰していたとしても、フロントメンバーは5人になるだけだし、海外でのステージ規模からしてフロント10人体制という想定はあり得ない。

例えばダークサイドコスチュームをまとった演者全員を闇のメンバーとするなら、ユイメタルを含むフロント5人と神バンド4人、そして「同じ時空に存在していない」藤岡を入れて10人....という苦しい仮説も成り立つのだが。

いずれにしろ、KOBAMETALが当初、何をやろうとしていたのかは謎のままである。



【CHOSEN SEVENの正体】

幕張公演オープンニングの紙芝居を見ていて、気になる点があった。

METAL RESISTANCE EPISODE Ⅶのタイトルと共に流れた英語のナレーションは、

「Light and Darkness....
Both are considered to be opposites but at the same tim, one cannot exist without the other....」

日本語字幕は「光と闇....それは表裏一体であり、お互いに欠けることの出来ないバランス....」と訳されていた。

これは4月の動画そのままで、カンザスシティ公演以来、欧米ツアーでのワンマン&フェス全てのステージで流されてきたものだ。

ところが後半、「Sometimes however....」という新たなナレーションと「しかし、時に予想もしなかったことが起きる....」という字幕が加えられていた。

記憶が曖昧で全文が思い出せず、ファンカムを探したのだが、残念なことに全てを確認出来る動画が残っていない。多分、(光と闇が?)重なり、7つの魂が一つになる....とかなんとか言っていたように思う。

「予想もしなかったこと」とは、当然ユイメタルの脱退だろう。それまでの流れから、幕張~神戸でのフォーメーションは、ユイメタルの不在を想定して作られていたことは間違いない。けれどそれは、完全にいなくなるという前提ではなかった。

もし、ユイメタルが幕張に復帰していたら、平井・大森・秋山のうち誰か1人は出演がなくなるという「補欠候補」だったのではないか。7人体制のあの中にユイメタルがいたとしても、ビジュアル的には全く変わらなかったろう。

つまり、欧米ツアーからのあの極端なまでの「没個性メイク」は、多くのメイトから酷評されたが、まさにそのオリジナルメンバーのカラーを薄めることこそが目的であり、それによって「違和感なくいつでもユイメタルが戻れる」為の策だったと考えるなら、全て合点がいく。

4人体制でのヘッドギアと、7人体制でのあのベッタリと固められたヘアスタイルは、3人のトレードマークだったポニーテールとツインテールを封印する為だ。

そしてあの執拗なまでに濃いアイメイク。

一見して誰がスーメタルで誰がモアメタルなのか見分けがつかず、多くのメイトが彼女達の魅力を殺していると批判を浴びせた。

https://www.instagram.com/p/BrnHG_-hOA_/
Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 1:38pm UTC

しかし、だからこそ、あの中に急にユイメタルが復帰しても、また途中で抜けたとしても、全体のビジュアルイメージを壊すことなく、前後のフォーメーションを変更するだけで臨機応変な対応が出来たはずだ。

その復帰はもしかしたら、欧米ツアー中に起こったかも知れない。もしかしたら、一度復帰して再び抜けることがあったかも知れない。もしかしたら、1公演中、フルにステージに出るフォーメーションではなかったかも知れない....。

彼女に無用なプレッシャーをかけることなく、必要なだけの休養期間を与え、フロントメンバーのサポート増員によってステージングのバリエーションを広げる。いつ復帰するとか、しないとか一切明言しなかったのも、ユイメタルのプライバシーを優先し、プレッシャーを与えないための配慮だったろう。その上で「急な復帰」にも対応し、臨機応変なライブ演出を可能にする、絶望的な状況の中で彼らが編み出したギリギリのウルトラC。それこそがCHOSEN SEVENの正体だったのだ。


「KOBAの独り善がりがBMを台無しにした」

「ユイメタルがいなくても構わないという冷酷な演出」

今でも消えない批判の多くは、KOBAMETALを「自分の趣味とワガママに固執している」というイメージで捉えたものだが、それはそのまま言ってる本人たちにブーメランとして刺さるべきだろう。彼らこそ己の願望のみに支配され、人の心を思いやる想像力に欠けた駄々っ子そのものではないか。

実際は全く逆で、あの演出はユイメタルの回復を待ちながら、あくまでオリジナル3人のユニットを守るための、彼女の帰る場所を守るためのものだった。チームBABYMETALは、最大限の愛をもってユイメタル欠場シフトを敷いてきた....そうとしか思えないのだ。


※続く