BABYMETALの読み方

OCEAN=オッシャンと呼ばれています。お察しの通りオッサンてす。BABYMETALについての個人的所感をボチボチ綴っていきます。

BABYMETALの2018年を振り返る②

【事前アナウンスの欠如】

ダークサイドの演出とサポートダンサーによるフォーメーションは、急ごしらえで出来るものではない。4月1日の告知の時点で、すでにユイメタルのツアー欠場が決まっていながらアナウンスをしなかった....という批判は多いし、当初は自分も首を傾げた。

が、直前までユイメタルの復帰が予定されていたとしたらどうか?セットリストやフロントの陣形に手を入れながら、急きょ「新たなお告げ」を追加したとしたら。

もちろん、それがアナウンスなしで欠場しても許されるという言い訳にはならない。しかし、欧米ツアーのワンマンライブにおけるポスターやフェスの写真には3人の過去の写真が使われていたし、そのあたりの許諾に関してこだわりの厳しいBM運営サイドは、何も訂正を促していなかった。赤いフードとマントの7人のうち、スーモア2人だけが顔を覗かせた宣材画像が用意されたのは、ユイメタルの正式な脱退と新体制が決まってからである。

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Instagram post by OCEAN • Dec 19, 2018 at 8:38am UTC

ツアー直前でユイメタル抜きのフォーメーションに変更せざるを得なくなったとして、その件についての説明ぐらいは、いくらKOBAMETALが好き勝手やっていようと、上場企業のアミューズが全く配慮しない訳はないと思う。どんな形であれ、彼女の欠場を喜ぶファンはいないにせよ、広島公演のときのように一定の理解を得るためのアナウンスはあって然るべきだった。

では、理由はともかく、一定の理解を得るための説明とは、どんなものか?

①いつまで欠場するのか、いつ頃復帰するのかをはっきりさせる。

②体調不良の病名なり症状を明かす。

最低でもこのどちらかがなければ、広島以来の不在に納得する者はいまい。

とすると、アミューズが公式アナウンスをしなかったのは、予定外の急な事態だったことに加えて、詳細の発表を控えたい事情があり、そこをカバーするだけの策を練る時間的猶予もなかったのではないか。

自分は2016年以来のファンカムでたまに見受けられた、ユイメタルが腰を庇うような動きから、激しいダンスによる頸椎や背骨の故障を疑った。自身の経験から、完治が難しく、治ったり急に悪化したりする症状が、欠場の期間や復帰時期を明言しにくくさせているのだと思ったからだ。けれど、それなら②病状を説明しない理由にはなりにくい。

理由を公表したくないのなら、他に何らかのアナウンスをしないことには、ファンの動揺と批判が増すのは目に見えていた。無言を貫くことが「世界観を壊したくない」というKOBAMETALの強いこだわりによるエゴだと受け止めたメイトは多く、これではかえってネガティブな風評を煽る結果を招くだけだと、「箱推し」「盲目信者」である自分でさえ、運営サイドの姿勢には得心がいかなかった。実際、ネットでの流言飛語は肥大化する一途をたどるばかりとなった。

それでもなお、株主総会での畠中社長は詳細を明かそうとしなかった。実際にその場にいた訳ではないが、参加者のTwitterで報告されたやり取りの内容からは、答えに窮して口ごもるというような様子ではなく、例え批判されようともそれに関して言明しないという強い意思を感じさせるものだった。

そこまでして症状や病名の公表を控えたのだとしたら、それは一体どんなものだったのか。



【ネットの風評】

はっきりしたアナウンスがないことで増大していった、ユイメタルに関するネット上のネガティブな風評は様々あったが、その殆どは全くソースも根拠も欠いた悪意によるものばかりが目立った。

中でも、不安にかられるファン心理につけ込んで「或いはそうかもしれない....」と惑わせるものの一つに、「広島以前からユイメタルはBMを辞めたがっていた」というものがあった。これは重音部以来、ユイモア2人にずっとつきまとってきた噂で、どちらかと言うと古くから2人を応援していたアイドルファンによる"願望"に近い。それが思い通りにならないことへの不満からアンチ化していったヲタク層のことを「こじらせ」と呼ぶのだそうだ。

元々、重音部はさくら学院を卒業するまでのユニットであり、卒業後はそれぞれソロの活動をするという前提であったことは、3人も自覚していた。

当時のその前提の中で本人たちが口々に将来の夢や目標を語るのはごく自然なことだったが、既存のアイドル路線から反れていくBMに失望し、特にユイモアの2人に対して通常のバラエティタレントのような活動を期待していたファンの一部は、当時の発言を金科玉条のごとく掲げて、2人が無理矢理BMの存続に縛り付けられていると主張してきた。

けれど、選択肢が限定されていた11歳~13歳頃の発言をいつまでも言質にしたところで、年齢と共に状況も考え方も変わっていくのは当然だし、アミューズKOBAMETALは何度も彼女たちとの意志疎通を図りながら、BMの展開にも段階的なステップを踏んできたのだ。
 
その過程で何度もインタビュー等で世界征服の夢や、BMとしての3人の絆や情熱を語っているが、こじらせ達にとっては、昔の発言が彼女達の本音で、その後の発言は全て無理矢理言わされたもの、ということになってしまう。

これに加えて、「スーメタルばかりが目立って、引き立て役としての扱われ方に嫌気がさした」という作り話も多い。

そうした軋轢や不満の鬱積から精神を病んでいったのだとする説も、結局は他のガラパゴスアイドル達の脱退や解散劇が日常茶飯事の芸能界と同じ視点でしかBMを見ていないが故の妄想でしかない。

人気投票でセンターポジションが入れ替わったり、順位付けによるヒエラルキーに終始さらされるグループと違い、BMのステージはプロフェッショナルなスキルとプライドを持つ7人全員が一体となって作り上げてきたし、どの場面においてもそれぞれが称賛の対象となってきた。

流動的な好感度や人気先行の物差しだけで浮き沈みする土壌からとっくにBMは抜け出しており、その代わり、なんの保証も勝算もない道なき道を、チーム一丸となって歩んできたのだ。

BMは間違いなく日本の芸能界、J-POPアイドルの系譜に連なる進化形態だ。けれど、その方法論もベクトルも、活動しているフィールドも、それを作り出している会社の土壌も、何から何まで他のアイドルグループとは全く別次元なのだ。それを同一視して、自分達の矮小化された物指しに無理矢理押し込めようとするあまり、低俗な誇大妄想に囚われてしまっている こじらせ達には、恐らく一生その価値は分からない。

自分がユイメタルの欠場理由は身体的な故障によるもので、ネットで言われてるような精神的なものとは考えにくいとしてきたのは、そうした背景からだった。


しかし、である。


一方で、「そんな風には考えたくない」と思う心理が心の隅にあったのも事実だった。

身体的な故障であれば、症状を伏せなければならないとは思えない。もちろん、どんな病名であれ個人情報保護の観点から、それを公表しないという方針だとすれば、アミューズのような社会的に開かれたグローバル指向の企業なら当然かもしれないが。

しかし、BMは世界展開を目指すアミューズにとっても、今や創立以来の大きな展望の懸かったプロジェクトである。それだけに、国内外からの注目と批難が集まる中で、頑なにこの件について明言をしなかったのは何故なのか。


アイドルの宿命として、容姿に関するネットの風評が付きまとうのは避けられない。

彼女達にも「激ヤセ」「激太り」という声が絶えず言われてきた。

重音部結成当初は、年齢よりも幼く見える2人がまるで双子のように可愛らしく、当時のアイドル人気をスーメタル以上に得ていたのではと思う。

ほぼ同じ身長でスタートし、成長段階で「1㎝勝った!」「2㎝追い越した!」とはしゃぐ姿が動画サイトにも残っているが、決して身長が高い訳でもないスーメタルを頂点に、三角形のシルエットを保つために、3人の靴のヒールはその都度高さを調整してきた。

そんな中、ネットでは常に、「モアが太った」だの「ユイが痩せた」だのと、いかにも一般的なアイドルファンが好むような話題が少なくなかった。


2015年12月の横アリ後、ヴォーグその他のファッション誌による受賞が相次ぎ、珍しく年末のメディアに3人の画像が流れる機会が多かった。

その当時にネットで囁かれたのが、ユイの激ヤセだった。他の場面で撮られたものも含めて、確かに当時の急な痩せ方は少し心配になるほどだった。


翌年は4月のウェンブリー公演に始まり、東京ドームまで快進撃が続いたが、そこでのユイメタルはかつてのふっくらほっぺも取り戻し、いつもと変わらなく見えた。ただ、6月のドイツ公演の時に、会場が空調の故障かなにかで酷い暑さだったらしく、そこでのファンカムに明らかに動きの鈍いユイの姿が写っていた。また、終演後に演者かスタッフの誰かが救急車で運ばれたという話が流れたが、特に何の発表もなくツアーは続けられた。

この頃から、海外ツアー中のワンマン(ウェンブリーを除く)や、国内小ホールでのライブの時間が極端に短くなり始め、恐らくユイの身体的な問題ではないかと思ってはいた。


2017年には5大キツネ祭りのさ中、公演後に3人の写真がアップされる度に、ユイメタルのふっくらした丸顔と決してスタイルが悪い訳ではないシルエットに、「太った」「太った」というデリカシーのない馬鹿な書き込みが相次いだ。


※続く