BABYMETALの読み方

OCEAN=オッシャンと呼ばれています。お察しの通りオッサンてす。BABYMETALについての個人的所感をボチボチ綴っていきます。

アイドルレジスタンス①

【アイドルかアーティストか?】

BABYMETALはアイドルなのかメタルなのか?という議論は、もう何度も繰り返されてきて、まるで口の中で硬くなってしまったガムのように、もはや全く味のしない出涸らしのネタである。

けれど、誰もが納得のいく結論が出たのかと言えば、依然としてその見解は平行線のままだ。まあ、初めからそんな正解などないんだけど。

そもそもアイドルという音楽ジャンルはない訳で、この場合「POPなのかメタルなのか?」という音楽のカテゴリーを語るヒトと、「アイドルなのかアーティストなのか?」という彼女達の存在そのものを問うヒト達に大別される。

音楽ジャンルに関して言うなら、日本の歌謡曲~J-POP自体が、洋の東西を問わずあらゆる音楽が混在して成り立ってきたし、その中でガラパゴスミュージックと言われるような独自の進化を遂げてきた。ガラパゴスという表現は良い意味にも悪い意味にも使えるが、独自性という点において、個人的には世界に誇れるものだと思う。

BABYMETALの楽曲は、KOBAMETALというこれまた独特の感性とこだわりを持ったプロデューサーによって作られたガラパゴスミュージックであり、J-POPという土壌がなければ生まれることはなかったものだ。自分は誰が何と言おうと、BMの音楽はJ-POPだと断言する。


一方、アイドルかアーティストか?という論議はとても厄介だ。両者とも、その定義がハッキリしておらず、特に"現在の日本における"アイドルというものを正確に定義するのは難しい。

先に断っておくが、ここで「そもそもの語源」を持ち出すような野暮な屁理屈は捨て置く。カタカナで通用する言葉はすでに日本語であり、言葉は生き物だ。あくまで現在の日本で言うところの....という前提で話を進める。

BMがミュージシャンかどうか?と言うなら間違いなくNOだけど、アイドル歌手≠アーティストという訳でもない。

以前、魔性の女と呼ばれたある女優が「別に....」発言で大バッシングを浴びる騒動になった時に、「女優じゃなくて表現者です」とムキになっているのを見たことがあるが、何かを表現して見る者聴く者に感動を与えるという意味では(例えお笑いでも)、エンターテインメントに関わる殆どの人達は表現者であり、アーティストということになる。

(ちなみに例の魔性の女優さんは、嫌味ではなく立派な女優だと思う)

そうすると、口パクで踊るアイドルだって、リップシンクで歌ってるかのように見せてファンを楽しませる表現者には違いない。

ただ、50代の自分が子供の頃にTVで見ていた歌謡歌手・アイドル歌手達は、一応ちゃんと歌えていたし、懐かしいVTRが放送されていると、今見てもやはり「上手いな」と思える人も多い。

それが明らかに下手くそな歌手が登場し始めた頃から、「アイドル歌手」という呼称にはそれまでの「人気者」という意味合いとは別に、侮蔑的な皮肉が含まれるようになった。

80年代アイドル歌手の筆頭と言えば田原俊彦松田聖子が浮かぶが、松田聖子は田原と同じ「アイドル」として括られることを迷惑がっているような素振りが見受けられた。

これは「ビジュアル系バンド」という呼び名が出始めた頃にも、一部のバンドがそう呼ばれることを嫌っていたのと同じだ。

けれどその後、アイドル歌手もビジュアル系バンドも、一つのジャンルとして市民権を得ていった。

80年代アイドルの中で高らかにそれを宣言した点では、小泉今日子の『なんてったってアイドル』が鮮烈だった。この歌を作詞した秋元康が、現在の日本アイドル界における最大勢力を率いているのは周知の通りである。

この最大勢力に対して反旗を翻すダークヒロイン....それがメジャーデビュー当初のBABYMETALのストーリーだった。

https://www.instagram.com/p/Bry61ARhNXr/
Instagram post by OCEAN • Dec 25, 2018 at 3:42am UTC

BABYMETALのライブを動画で漁るようになった当初は、「これ、もうアイドルじゃないな....」と思ったし、「所詮、アイドルじゃん」という声には強い反発を覚えたものだ。

それが今は一周して(2~3周してる)、アイドルでいいじゃんと思えるようになっているが(笑)。

けれど「巨大勢力アイドル」とBABYMETALの区別だけはハッキリさせておかねばならない。

自分は洋楽にもアイドルにもそれほど興味を持たずに過ごしてきたクチで、音楽自体の見識が広い訳ではない。普通にTVやラジオから流れてくる流行歌を広く浅く聴く程度の、そこそこミーハーな趣味しか持ち合わせてこなかった。強いて言うならJ-POPファン、ガラパゴスミュージックファンである。

けれど前述したように、ガラパゴスミュージック、J-POPカルチャーというものは世界に誇れるオリジナリティを持った優れモノだと思っているし、BABYMETALもその系譜に連なる最進化形態だと断言出来る。
 
ただ、彼ら(3人ではなくKOBAMETALを初めとするBMを作り上げた人達)が、何故その頂点に君臨する巨大勢力アイドルに反旗を翻したのか?というのは、J-POPカルチャーそのものにとって重要なことだと思うのである。


※続く

ご挨拶

今さらですが、初めまして。OCEANと申します。

なんの前振りもないまま、いきなりの駄文を6つも連投してしまいましたが、自分はファン歴3年余りのBABYMETAL信者です。

本当は「信者」という言葉は好きではないけれど、「箱推し」「チーム推し」、ひいてはこんな素敵なものを生み出したアミューズの成り立ちそのものに大きく感銘を受けた者として、そう呼ばれる側の人間であることは間違いありません。盲目信者と呼ばれることも慣れました(笑)。


ダークサイドに転じて以来のBMに対し、アンチばかりか、それまで応援していたファンの一部からも批判されることが多くなった2018年は、自分も人様のブログやネットの書き込み等を見ながら色々と考えを巡らせ、あーでもない、こーでもないと、様々な想いを溜め込む1年でした。

そんな個人的所感を自分もブログにしてみようと不意に思い立ったものの、どこから手をつけていいかも分からず、見切り発車で現時点のBMに対する見解を綴らせてもらいました。

ブログ自体初めてなので、まだ使い方も呑み込めておらず、プロフィールその他の説明文等、準備中のまま店を開けてしまった....そんな状態です。

まあ、細かいことは追い追い片付けながら、ボチボチ進めて行くことにしましょう。

https://www.instagram.com/p/BrjzE6hhz5h/
Instagram post by OCEAN • Dec 19, 2018 at 6:45am UTC

申し遅れましたが、当方50も過ぎたいいオッサンです。OCEANというハンドルネームは仲間内のSNS等で使っていて、みんなからはオッシャンと呼ばれています。

BABYMETALの存在を知ったのは2015年の6月のことで、やはり自分のことをオッシャンと呼ぶネット仲間から教えられてのことでした。

それから暫くはネット情報や動画を漁りまくるという、お決まりのパターンで、結局その年の横浜アリーナに初参戦することになったのですが、そこから現在に至るまでの話を始めると、もの凄く長ぁ~いわりには、大半が多くのメイトさんが語り尽くしてきた話と同じになるので、いちいち時系列で書くのはやめました(笑)。


そんな訳で、このブログは2018年12月現在を起点にリアルタイムのBABYMETALを追いつつ、ランダムに過去の経験談等を交えながら進めていきます。
 

KOBAMETALはかつてのインタビュー記事の中で、「100人のファンがいたら、100通りのBABYMETALがあっていい」と述べたことがあります。また、幾つものアトラクションからなるテーマパークに例えたりもしていました。

アイドルであったり、バンドであったり、POP、ROCK、メタル、或いはそれらがゴチャ混ぜになったガラパゴスミュージックの最進化系....

今年は更にダンスユニットとしてのライブ表現の幅を一気に拡げる展開となりました。

そして、それらに対する評価、見方、考え方も100人百様で、考えてみればこれほど賛否が分かれ、議論の耐えないアイドル・ロックアーティストというものが他にあったでしょうか? 少なくとも日本の音楽史上、芸能史上には他に比するものがありません。

ネガティブな見方も含め、様々な意見がぶつかり合い、それがいつまでも続くどころか、まだ更に激しくなっていること自体、BABYMETALがいかに多くの人達にインパクトを与え続ける存在であるか、という証だと思います。

ネガティブな意見の中にも、アンチ的なものや冷やかし半分のものの他に、BABYMETALが好きであるがゆえに出てくる辛辣なものもあるでしょう。

100人が100通りの読み方をするなら、自分にも「信者」としての読み方がある。ただし「信じるに足るもの」をBABYMETALの中に見出だせていなければ、誰が信者などになるものか。そこを読み取れるか読み取れないかで、見え方は180度違ってくる。

盲目だから信じられるのか?
見えているから信じられるのか?

本当に盲目なのはどっちなのか。

信者によるBABYMETALの読み方をお教え致します。まずはご挨拶まで。

BABYMETALの2018年を振り返る⑥

【We are BABYMETAL】

第7章の欧米ツアーでは、ワンマンライブ10公演・ロックフェス4公演全てのオープニングとエンディングで、同じダークサイド・CHOSEN SEVEN仕様の紙芝居が上映された。

過去にもスター・ウォーズをパロッたオープニング映像をそのままロックフェスで登場時の演出に流用することはあった。けれど、終演時までワンマンと同じパターンが使われ、定番の「We are BABYMETAL!」のコールすらないまま、BGMと共にフェードアウトしていく演出は、一見の客が殆どのフェスでは甚だ不自然に見えた。

仮にユイメタルが復帰していた場合、ワンマンライブとフェスのフォーメーションやセットリストを変えることも可能だったろう。ひょっとしたらそのパターンも予定されていたかもしれない。

が、ツアー開始直前にユイメタルが欠場となってしまったとしたら、丸山・佃井の2人に演目を追加する余裕はなかったはずだ。2人はワールドツアー、ロックフェスともに初めてなのだから、リハーサルも出来ない一発勝負の海外フェスで、多くを望むのは無理がある。

これについては、その後の日本公演~シンガポール~豪州フェスまで、年間を通してセットリストがほぼ固定されていた点にも同じことが言えるだろう。


ただ、欧米ツアーとJAPNツアーからのエンディングには、一つだけ大きな違いがある。

ユイメタルの復帰を待ちながらの欧米ツアーでは、終演時の定番である「We are BABYMETAL!」のコールをワンマンライブですらやっていないのだ。これは東京ドーム初日の「to be continue....」同様、「まだ完結してないよ」という終わり方で、CHOSEN SEVENが姿を現すまでの途上であるという意味が一つ。

そして何より、ユイメタルを欠いた布陣では敢えてそれを封印するという、スーとモア、そしてチーム全員の意図があったのだと思う。前年12月の広島聖誕祭からそれは続いており、BIG FOX FESTIVAL大阪公演を最後に、彼女達は一度も「We are BABYMETAL!」と宣言してこなかった。


サポートダンサーを擁したダークサイド公演は、その時点で出来うる限りのステージを、KOBAMETALMIKIKO、製作・演出・デザインスタッフ、ツアークルー、7人の神バンド、マニピュレーター、5人のダンサーら、そこに関わる全員のプロフェッショナリズムを結集させて作り上げたものだ。

それは全て、ユイメタルの復帰を待つスーメタルとモアメタルの2人を全力で支える為のものだった。

それを受けて彼女達は、例えそれが外典~スピンオフであろうと、どんなスタイルに身を包もうとも、決してBABYMETALは死んでいない!という強いメッセージをステージに叩きつけてきた。


その想いは誰かが掲げたスマホの粗いファンカムからでも、痛いほど伝わってきたから、

衣装にも、メイクにも、フォーメーションにも、ちゃんとユイメタルを待つ運営サイドの気持ちが表れていたから、

ユイメタルがいなくなることなど、チームの誰も想定していない様子がはっきり見てとれたから、

自分はユイメタルの復帰を100%確信出来た。

どんな理由であれ、それは間違いなく、彼女自身がステージに戻ろうとする強い意思を持っている証だったから。

チーム全員が心ない批判をものともせず胸を張ってステージに立てるのは、そんなユイメタルの心情を知っている証だったから。


けれど「時として、予想もしないこと」が起こってしまった。ユイメタルがどんな思いでその決断に至ったのかは想像するしかない。

ただ、彼女は最後にこう綴っていた。

「私は恵まれているなと感じる日々でした」

その日、YouTubeに新曲『Starlight』がアップされた。

それが初めて演奏された幕張ライブで、万感の想いを込めて、彼女達は叫んだ。

「We are BABYMETAL!」と。

https://www.instagram.com/p/BrohWmFhoCX/
Instagram post by OCEAN • Dec 21, 2018 at 2:47am UTC

【ダークサイドの行方】

欧米ツアーでのワンマンライブ10公演のセットリストは、以下の11曲だった。

1 IN THE NAME OF
Distortion
3 Elevator Girl
TATTOO
5 GJ!
6 紅月
7 メギツネ
8 ギミチョコ
9 KARATE
10 Road of Resistance
11 THE ONE(English ver,)

広島公演からのIN THE NAME OF(以下、ITNO)の他、3曲(Distortion、Elevator Girl、TATTOO)の新曲が加わったが、サポートダンサーにとっては全てが新曲であり、恐らく生バンドのメタル楽曲で踊るのも初体験だったろう。

米・独(×2)・英のロックフェス4公演では、ここからElevator Girl・GJ !・紅月・THE ONEを省いた7曲が演奏された。

暫定的な体制の中で、披露できる演目が限られてしまうのは仕方ない。2018年のライブは全てこれをベースにしたセトリで行われた。


注目すべきはオープニングのITNOである。インストゥメンタルの演奏に合わせて、マスク姿で杖を操る登場シーンは、広島公演からそのまま引き継がれたものだ。かつてオープニングの定番と言えばBABYMETAL DEATHだったが、ITNOはこれのダークサイド版である。フェスのオープニングとしては、やや間延びしてしまう演出だが、あくまでダークサイドにおける開演の儀式として、これは日本公演まで続けられた。逆に言えば「ダークサイドは広島から始まっていた」ということになる。

それは広島公演後に示された「次なる伝説」を予兆するデザインが、すでにDistortion~ダークサイドへと繋がっていたことからも明らかだ。

https://www.instagram.com/p/Brj_2acB4i6/
Instagram post by OCEAN • Dec 19, 2018 at 8:37am UTC

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Instagram post by OCEAN • Dec 19, 2018 at 8:38am UTC


2ndアルバム以降の4曲は明・暗で言うなら「暗」の印象が強く、歌詞もネガティブなワードを散りばめたシニカルな表現が目立つ。TATTOOの「やさぐれ感」などは、ちょっとこれまでのスーメタルにない色合いを出していると思うが、彼女のソロ曲は全て「暗」に寄っているものばかりだから特に違和感はない。

それより、Distortionの「怒り」や「憤り」、Elevator Girlの「堕落的」な表現は、これまでのBABYMETALには不釣り合いなほどのイメージチェンジだった。BMのイメージカラーである赤と黒のうち、黒に振り切った曲とも言える。

これまでにもそうした「黒い」フレーズがなかった訳ではない。BLACK BABYMETALの楽曲などは「真っ黒」なものもあるが(笑)、そこはユイモア2人のキャラクターとKAWAIII合いの手によって中和されていたし、その「相反するものの融合」「絶妙なバランスで構築されたアンバランス」こそが、初期のBABYMETAL最大の魅力だった。

やがて赤から黒へ、甘口から辛口へ、子供から大人へ....既存のファンが望むものと相容れるかどうかは別として、1st~2ndアルバムの間に見せた変化同様、BABYMETALは常に進化・成長をし続けるユニットであり、その歩みは止まるものではない。

例えばコスチュームデザイン一つとっても、2ndアルバムのリリースを挟む2015~2017年の3年間で、赤いカラーと肌の露出は段階的に消えていき、トレードマークだった赤いチュチュは黒ずくめのアーマードレスに様変わりしていった。

そして広島聖誕祭においては、現在のスタイルに通じる原型がよりはっきりと表れ、神バンドのコスチュームまでが白から黒へと変化した。そのエンディングで、スーメタルとモアメタルの2人は天空へと続く階段を上り、オーディエンスに背を向けたまま消えていったのだ。

この演出はスーメタルの二十歳を契機に、一気にスタイルチェンジを図る為の序章だったろうし、藤岡の死やユイメタルの脱退を前提にしていなかったことは言うまでもない。

つまり、現在のスタイル自体は当初からの規定路線であり、CHOSEN SEVENというのも、第3章のトリロジーや第5章の5大キツネ祭り同様、第7章の数字にかけただけのものだったはずだ。

ところが、直後に起こった藤岡の死によって、ダークサイドには「喪に服す」という意味合いが込められることになった。

そこへユイメタルの長期欠場という二重の苦しみがのしかかり、日蝕によって光が失われたロゴマークは、計らずも2つの意味合いを持つことになった。それまでメイトを感動させてきた「フィクションとリアルの奇跡的な同時進行」が、ここでも不気味に符合してしまったのだ。

「KOBAは広島以前からBMを辞めたがっていたユイメタルを無理に留めおき、ダークサイドの途中で彼女が抜けることは全て初めから計算づくだった」とする的外れな妄想は、未だにくすぶっている。

それは少なくとも5月以降の流れの中で、最悪のケースとして想定せざるを得なかっただろうし、日本公演までに水面下で準備されてきたCHOSEN SEVENには、その為の「保険」として没個性メイクが加えられたことは確かだろう。

しかし、本当に彼女がステージに立てる状態で脱退を希望していたのであれば、KOBAは確実にユイメタルがFOX GODによって召還(召喚ではなく)される演出による引退ライブを用意したはずである。が、「何度も考え直した」彼女の「もう一度ステージに立ちたいという強い思い」は叶わないまま、「予想もしなかった」最悪の結末を迎えしまったのである。


そして、脱退発表と同時にリリースされたStarlightも、藤岡へのレクイエムとして作られたはずが、やはり二重の意味合いを持つことになった。

その日本公演も欧米ツアーでのセットリストをベースに、TATTOOをStarlightに置き換えた11曲で構成された。JAPNツアーでユイメタルが復帰していれば、この曲で藤岡への追悼を捧げることで「喪が明ける」はずだったのだ。

バックコーラスの歌詞の
We’ll never forget shining starlightと、
We’ll never forget shooting starの部分で、shinig starlight=「輝き続ける星空」をユイメタル、shooting star=「輝きを放ち消え行く星」を藤岡へ向けたものと読むメイトも多いが、或いはリリース直前で差し替えられたのかも知れない。

いずれにせよ、JAPNツアーは2人への惜別の想いを歌い上げるとともに、新たな展開へと飛び立つ起点となった。


その後、「予想もしなかった」事態を受けて、光と闇が重なりあった状態。それが12月のシンガポール~オーストラリアで見せた3人体制だ。

日本公演ではユイメタルの復帰を想定しての濃いアイメイクが施されてはいたかが、5人のサポートダンサーには縦のラインを入れてスーモアの2人との差別化を図っていた。

けれど、オリジナルメンバーを没個性にする必要がなくなったシンガポールからは、2人のアイメイクは薄くなり、サポートの平井だけは日本公演と同じ縦のラインが入っていた。

https://www.instagram.com/p/BrnHJ3Jh-tG/
Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 1:39pm UTC


セットリストからはダークサイドの儀式であるITNOがなくなり、

1 メギツネ
2 ギミチョコ
3 Elevator Girl
4 メタ太郎
Distortion
6 KARATE
7 Road of Resistance

の7曲で統一された。

新曲のStarlightは含まれていない。この曲に込められた想いはやはり特別なものであり、日本でその「決別の儀式」を経たBMは、すでに飛び立ったのだ。さらにサバトン、Garactic empireとのコラボの為にSSAのみで加えられたメタ太郎を入れることで、ダークサイドに明るさをもたらした。けれどバックドロップやRORでの旗は日蝕ロゴのままである。

つまり、依然としてダークサイドは続いているものの、光と闇が重なった状態から次第にそれが明けつつある段階....と言っていいのかも知れない。



この先、ダークサイドが一気に明けて、元のスタイル....赤いチュチュにポニーテールとツインテールに戻る....という可能性は低いと思う。広島公演のエンディングで2人が祭壇を上っていったあの時から、BABYMETALは完全に「次のステップ」へ旅立ったのだ。喪に服していたダークサイドの間に、予想外にあまりにも大きなピースを失ってしまったが、それでもこのチームに後戻りという選択肢はない。

それが一体どんなものになるのかは、誰にも分からない。もしかしたら、KOBAMETALでさえ白紙の状態から練り直しを迫られているかも知れない。

だが、4人体制で臨んだ欧米ロックフェス同様、新たな3人体制で初上陸した豪州フェスでも、彼ら(彼女ら)はまるでホームグランドのように会場を熱狂の渦へ巻き込んで見せた。

そして高らかに「We are BABYMETAL!」とコールした後のエンディングは、やはりBGMとともに静かに去っていった。  

ダークサイドは続くのか?終わったのか?

どこにも第7章のファイナルを謳う文字はなく、明年以降の告知もまだない。一部では、すでに来年の米フェスへの出演や3rdアルバムリリースのフライング情報が出回っているが、真偽は不明だ。



今年の漢字は「災」だそうだが、まさにBABYMETALにとっても同じだった。

片翼を失い、片足をもがれ、それでもキツネは飛べるだろうか?

絶望さえも光に変えて、涙こぼれても立ち向かい、ひたすらセイヤソイヤと歌い躍り、これまでのようにメイトの度肝を抜いてくれるのだろうか?

我々が「ベビメタロス」と呼んでいる、全く何の情報も出てこない期間こそ、実はツアー中の何倍もKOBAMETAL達はフル回転で動いているはずである。

その行く末を、小神もユイメタルも見守っているに違いない。だからこそ、妥協など出来る訳がない。またもや想像の斜め上を行くブッ飛んだ展開を、ひたすら期待するのみである。


間もなく災いに明け暮れた2018年も終わり、そして次のFOX DAYには平成も終わる。

どうかBABYMETALと水野由結にとって、新しい年が更なる飛躍の年となりますように。

心からお祈り申し上げます。


(※この章終わり)

BABYMETALの2018年を振り返る⑤

【ダンサー編成から見えてくるもの】

幕張公演で初めて姿を現したCHOSEN SEVEN、即ち7人体制のフロントメンバーは、欧米ツアーから帯同していた丸山未那子と佃井皆美の他、新たに平井沙弥、大森小都乃、秋山翔子を加えた計5名のサポートダンサーを擁するものとなった。

丸山はMIKIKO率いるイレブンプレイのメンバーで、佃井はジャパンアクションエンタープライズ所属のアクション女優である。

後発の3人については今のところ全く確証はない。写真を見比べても、メイクや写り方の違いがオッサンには判別がつかない。そこは恐るべきメイトのネットワークによる情報力を信じ、あくまでその3人だという前提に立って話を進める。

秋山翔子に関しては当初、イレブンプレイのメンバーと言われていたが、公式サイトでもWikipediaでも(現・元ともに)確認出来なかった。星野源のバックダンサーを務めたり、ミュージカル・黒執事にも出演しており、その絡みからMIKIKOやイレブンプレイメンバーと一緒にいる写真もあるので、繋がりは深いようだ。


平井沙弥と大森小都乃の2人は大阪のキャレス・ボーカル&ダンススクール所属で、かつてはLaviean Linkという4人組ユニットのメンバーだったらしい。

https://www.instagram.com/p/BrnGESxhVJX/
Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 1:29pm UTC

(※写真はLaviean Link。左端が平井沙弥、隣が大森小都乃)


平井と大森が所属していたLaviean LinkのTwitterによると、今年(2018年)4月から新たに8人組のWonder Landとして活動を始める旨の告知を最後に更新がなくなり、新たに開設されたWonder LandのTwitterは現在、削除されている。

そのアカウントで幾つかの情報を発信していた形跡があるが、今はページが存在しておらず、「平均年齢17歳の6人組ユニット」というインデックスが5月付で確認出来る。

シンガポール~豪州フェスでユイメタルポジションを担っていた平井について、「事務所が違うから新メンバーにはなれない」という声があったが、サポートであれば神バンドも他のダンサーも全員、アミューズの所属ではない。

もちろん正式メンバーとなると話は別だが、キャレスの場合はボーカルダンススクールに過ぎず、前述のユニットはあくまでスクール内ユニットだった。Perfumeも元はアクターズスクール広島のスクール内ユニット「ぱふゅ~む」としてインディーズ活動をしており、アミューズに所属してから今の名称表記になった。

キャレスの卒業生には、E-girlsのAmiやガールズバンド・SCANDALのメンバー、さらにONE OK ROCKのメンバーもいて、それぞれ卒業後の所属は違う。ワンオクのメンバーがいるということはアクターズスクール広島同様、キャレスもアミューズとのパイプがあった訳だ。


2人はそれぞれ、SAYA 、KOTONO名義でのTwitterを6月から新設していて、現在もキャレスのスクールイベント等には出演している様子がうかがえる。

従って、彼女達は今のところ大手芸能事務所に属しておらず(キャレスには属している)、今後アミューズに所属することがあれば、将来的にBMの正式メンバーとなる可能性も否定は出来ない。また、専属的なサポートダンサーとして固定するにしても、キャレス所属のままだと、いずれ他の大手プロダクションから声がかからないとも限らないから(本人達はその為に頑張っているはず)、ちょっとその動向は気になるところだ。


ところで、平井と大森の2人の足跡から、一つの推測が浮かび上がってくる。

彼女たちが所属していた4人組のLaviean Linkは、4月1日から8人組のWonder Landとしてスタートしたものの、5月には6人に減員し、その後Twitterごと消えてしまったということになる。ちなみに平井と大森の2人は2000年生まれでLaviean Linkの4人の中では年長だったから、8人組の新ユニットからこの2人が抜けたとしたら、平均年齢も下がるだろうし残り6人という人数も一致する。

キャレスの広報用ブログには、過去のLaviean Linkや他のスクールユニットについての紹介はあるのに、Wonder Landについては何もない。恐らく削除されたのだろう。

そうすると、4~5月の間のどこかでBMダークサイドにおけるCHOSEN SEVENのバックダンサーの話が舞い込み、オーディションをパスした2人が新ユニットを抜け、その後ユニット自体が解消された可能性が高い。

この推測による時系列が正しいとしたら、丸山未那子と佃井皆美の2人は4月の告知動画の前から準備されていて、後の3人はそれ以降にオーディションなり選考があったと考えられる。

欧米ツアーにユイメタルが欠場することが確定したのがいつの時点なのか分からないが、最初(4月1日)のダークサイドの告知の後、急きょ「いつ、どこで、どんな姿で」7人が揃うか分からないと後付けされたのは、1ヵ月後のツアー直前になってからである。

つまり、10月の日本公演で見せた7人体制は、当初から予定されていたCHOSEN SEVENとは違うものだったのではないか。

オリジナルのダークサイドが何人編成でどんな展開を想定していたのかはBMが存続する限り明かされないだろうが、4~5月のどこかのタイミングでユイメタル欠場が確定して、その後の復帰も危ぶまれる中で、「プランB」のための準備が欧米ツアーと平行して行われていたと見ていい。

カンザスシティ公演後に5Bマネジメントがユイメタルの不参加についてコメントした中で、「筋書きは変更された」という発言もあった。

そもそも4月の予告動画では、3人+7人の人影が列び、計10人になっていた。日本公演でその全貌が明かされたことになってはいるが、動画との整合性は得られていないのだ。


かと言って、欧米ツアーでユイメタルが復帰していたとしても、フロントメンバーは5人になるだけだし、海外でのステージ規模からしてフロント10人体制という想定はあり得ない。

例えばダークサイドコスチュームをまとった演者全員を闇のメンバーとするなら、ユイメタルを含むフロント5人と神バンド4人、そして「同じ時空に存在していない」藤岡を入れて10人....という苦しい仮説も成り立つのだが。

いずれにしろ、KOBAMETALが当初、何をやろうとしていたのかは謎のままである。



【CHOSEN SEVENの正体】

幕張公演オープンニングの紙芝居を見ていて、気になる点があった。

METAL RESISTANCE EPISODE Ⅶのタイトルと共に流れた英語のナレーションは、

「Light and Darkness....
Both are considered to be opposites but at the same tim, one cannot exist without the other....」

日本語字幕は「光と闇....それは表裏一体であり、お互いに欠けることの出来ないバランス....」と訳されていた。

これは4月の動画そのままで、カンザスシティ公演以来、欧米ツアーでのワンマン&フェス全てのステージで流されてきたものだ。

ところが後半、「Sometimes however....」という新たなナレーションと「しかし、時に予想もしなかったことが起きる....」という字幕が加えられていた。

記憶が曖昧で全文が思い出せず、ファンカムを探したのだが、残念なことに全てを確認出来る動画が残っていない。多分、(光と闇が?)重なり、7つの魂が一つになる....とかなんとか言っていたように思う。

「予想もしなかったこと」とは、当然ユイメタルの脱退だろう。それまでの流れから、幕張~神戸でのフォーメーションは、ユイメタルの不在を想定して作られていたことは間違いない。けれどそれは、完全にいなくなるという前提ではなかった。

もし、ユイメタルが幕張に復帰していたら、平井・大森・秋山のうち誰か1人は出演がなくなるという「補欠候補」だったのではないか。7人体制のあの中にユイメタルがいたとしても、ビジュアル的には全く変わらなかったろう。

つまり、欧米ツアーからのあの極端なまでの「没個性メイク」は、多くのメイトから酷評されたが、まさにそのオリジナルメンバーのカラーを薄めることこそが目的であり、それによって「違和感なくいつでもユイメタルが戻れる」為の策だったと考えるなら、全て合点がいく。

4人体制でのヘッドギアと、7人体制でのあのベッタリと固められたヘアスタイルは、3人のトレードマークだったポニーテールとツインテールを封印する為だ。

そしてあの執拗なまでに濃いアイメイク。

一見して誰がスーメタルで誰がモアメタルなのか見分けがつかず、多くのメイトが彼女達の魅力を殺していると批判を浴びせた。

https://www.instagram.com/p/BrnHG_-hOA_/
Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 1:38pm UTC

しかし、だからこそ、あの中に急にユイメタルが復帰しても、また途中で抜けたとしても、全体のビジュアルイメージを壊すことなく、前後のフォーメーションを変更するだけで臨機応変な対応が出来たはずだ。

その復帰はもしかしたら、欧米ツアー中に起こったかも知れない。もしかしたら、一度復帰して再び抜けることがあったかも知れない。もしかしたら、1公演中、フルにステージに出るフォーメーションではなかったかも知れない....。

彼女に無用なプレッシャーをかけることなく、必要なだけの休養期間を与え、フロントメンバーのサポート増員によってステージングのバリエーションを広げる。いつ復帰するとか、しないとか一切明言しなかったのも、ユイメタルのプライバシーを優先し、プレッシャーを与えないための配慮だったろう。その上で「急な復帰」にも対応し、臨機応変なライブ演出を可能にする、絶望的な状況の中で彼らが編み出したギリギリのウルトラC。それこそがCHOSEN SEVENの正体だったのだ。


「KOBAの独り善がりがBMを台無しにした」

「ユイメタルがいなくても構わないという冷酷な演出」

今でも消えない批判の多くは、KOBAMETALを「自分の趣味とワガママに固執している」というイメージで捉えたものだが、それはそのまま言ってる本人たちにブーメランとして刺さるべきだろう。彼らこそ己の願望のみに支配され、人の心を思いやる想像力に欠けた駄々っ子そのものではないか。

実際は全く逆で、あの演出はユイメタルの回復を待ちながら、あくまでオリジナル3人のユニットを守るための、彼女の帰る場所を守るためのものだった。チームBABYMETALは、最大限の愛をもってユイメタル欠場シフトを敷いてきた....そうとしか思えないのだ。


※続く

BABYMETALの2018年を振り返る④

【ユイメタルの異変】

5大キツネ祭り~BIG FOX FESTIVALにかけての映像やツイート写真では、確かに顔の輪郭や胴回りのシルエットはややふっくらしていたが、2015年末に激ヤセが心配された当時からすれば、むしろ彼女本来の魅力を取り戻した姿に見えていた。

しかし、ネット上の心ない書き込みは後を絶たない。もちろん、殆どのファンはそんなことを気にもしないが、そもそもBMの場合、ライブに足を運ばない(運べない)ネットオンリーの在宅ファンが多数を占める。世界的な人気と、ライブ全体のキャパを考えても物理的にそうならざるを得ない。

ネット上で「今度の曲はつまらない」「そろそろ飽きた」という書き込みが増えようとも、ライブは全てソールドアウトし、ワンマンはもちろん、フェス等においても実際のライブを体験したヒト達からの「酷評」というのを殆ど目にすることがない。

在宅ファンの中にも、ライブに行きたくてもなかなか機会が得られないヒトもいれば、CDやDVDを繰り返し見聴きする熱心なメイトもいる。一方、ネットに上がる動画やファンカムだけを漁っている場合もある(本来、自分もこのパターンだった)。つまりファンと言ってもその熱や楽しみ方は様々で、ネットで交わされる在宅組の書き込みには冷やかし半分のものや、メイト以上に熱心なアンチが存在するのも事実である。

TVを主体に活動するアイドルタレントなら、視聴率が出演頻度とギャラに関係してくる訳だから、冷やかしだろうが炎上目当ての野次馬だろうが、TVの前のお客様は神様なのだろうが、BMは全く違う。

BMの演出や運営のあり方に異を唱えて「ファンをないがしろにしている!」とネットで叫ぶ連中の99%は、ライブ現場にはいないのだ。これを果たしてファンと呼ぶべきか疑わしい。

そういった層による「最近また太った」「顔がパンパン」といった書き込みに加え、5大祭りの写真のユイメタルには「表情が云々....」という指摘も多かった。

単純におどけたような表情を作ろうとしただけだろうが、バックステージで撮られるKOBAのド素人ショットは、何度も撮り直したようなものでなく、手早く1枚パシャリとやった程度のものばかりだ。中には疲れきったような表情や明らかに笑顔を作り損ねたようなものまであった。それが、表情豊かなモアとの対比で悪目立ちしてしまっていた。

在宅の冷やかし組は、それらをいちいちあげつらってイジり、こじらせ連中は「ユイが嫌がってる証拠だ」と騒ぎたてる。

この頃になると、BMやユイメタルのことを本当に愛しているメイトからも、彼女の様子を心配する声が見受けられるようになっていた。

そしてBIG FOX FESTIVAL大阪公演の後、広島聖誕祭において、ユイメタルにドクターストップがかかったのである。


【ある妄想】

ここからは完全に個人的妄想である。

少し前に、元日本代表の女子マラソン選手が再度の万引きで逮捕・有罪となったニュースが世間を騒がせた。注目されたのは、彼女が「窃盗症」という聞き慣れない精神的な病状にあったという点だ。

全国大会で優勝するほどの一流アスリートであった彼女は、過酷な体重管理を強いられる中で、極度の「摂食障害」に陥っていた。食べては吐き、食べては吐きを長期に渡って繰り返していたようだが、その買い食いを抑制されると、食への欲求をコントロール出来なくなり、万引きに手を染めるようになっていったという。

出てくるワードが全て自分に経験のないものばかりで想像すらつかないが、どちらも女性に多いパターンなのだそうだ。

ニュースを見ながら、ある友人の話を思い出した。

幕張公演にも誘ったことのある女性で、娘を持つ母親なのだが、「ユイモアの筋肉質な身体つきがら、相当なレッスンとトレーニングを重ねていることがうかがえる....」という話題から、女性ならではの視点でこんな話をしてくれた。

曰く、成長過程の女の子はホルモンのバランスが不安定で、体型も変わりやすい。スポーツの選手などハードなトレーニングを積んでいる場合は、一時的に生理が止まったりすることもあるのだと。


重ねて断っておくが、これは女子マラソン選手のニュースと友人女性の話から、勝手に膨らませた妄想である。

アスリート並みのトレーニングとハードなライブツアーをこなすアイドルスター。

世界的な注目を浴びる思春期の多感な女の子。

ステージ上における三角形のシルエットを求められることからも、常に体型を比較され、近年は明らかにモアよりも身長が伸びていた....。


ユイメタルは、ド天然のスーや度胸と明るさが売りのモアに比べると、奥ゆかしさ(≒内向的)や完璧主義といった印象が強い。

もし彼女が摂食障害とまでいかなくとも、それに類するような状態に長くあったのだとしたら....。

そう考えると、これまでのBM周辺情報の中で、前述してきたような「あれは何だったんだろう?」というエピソードの数々が、一本の線として繋がった....ような気がした。


自分が普段見ているのは、ファンによる情報を漁るための国内外の掲示板や、それらのまとめサイトである。果たしてそんなものに当人達がどこまで目を通しているか分からないし、アミューズの警告文にあったような、公式SNSへの書き込みまでを全てチェックしてはいないので、なんとも言えない。

が、スーメタル二十歳のインタビューでは「最初の頃は、こんなのメタルじゃないという批判も多かった....」と話していたし、過去にもYouTubeのコメント欄について3人が語っている場面もあった。

BOH達の発言やブログ等でも、明らかにネットでのメイトの声を承知している様子もうかがえる。また、欧米ツアーに帯同したサポートダンサーの2人を国内メイトは「筋肉姉さん」、海外では「マッスルシスターズ」と呼んでいたことも、直後のファンイベントで佃井皆美は触れていた。


重音部時代、まだ小学生だった2人は、その小さな身体で「息が出来なくなる」ほどの、「あばらが痛くなる」ほどのライブを必死でこなしていた。そして中学生でありながら、文字通り世界を駆け巡り、灼熱の野外ステージ、寒風吹き荒れるフェス、低酸素の高地、蒸し風呂状態のホールで、青春の全てをBMに捧げてきたのだ。

日々、成長期の身体は変化し、食事にも気を遣いながら、アスリートレベルの体力作りと体調管理が求められた。アスリートならそれだけでいいが、彼女達はそのビジュアルにもハイレベルなものが要求される。

ネットでいちいち「太った」「痩せた」「背が伸びた」と指摘されることを、気にするなと言われても気にならない年頃ではないだろう。

・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

ある日、とうとう動けなくなった。大切な大切なスーちゃんの聖誕祭に、ドクターストップがかかってしまった。

みんなは「大丈夫だったよ。ファンのみんなが支えてくれたよ。今は自分の身体のことだけ考えて」って言ってくれたけど、取り返しのつかないことをしてしまった。

第7章は今まで以上に頑張ろう。迷惑をかけたみんなに、心配してくれたファンに恩返ししなきゃ。


その後、復調してレッスンもリハもこなしていた。ところがツアーの開幕が近づくにつれ、広島の記憶が甦る....。そして再びの欠場....。


「私、今度はやれる。次は行かせて」

「無理しなくて大丈夫。お父さんとMIKIKO先生が、いつでも戻れるフォーメーションにしてくれたから。万全になるまでしっかり治して」


株主総会で畠中社長は言った。「広島のときは本当に体調が悪くて。今は良くなっている。幕張で復帰するか?そうかも知れないし、そうでないかも知れない」と。

彼女の症状を公表することは、現在のBMの危機的状況や、ライブアクトの急な変更に理解を求めるには有効だろう。しかし10代のユイメタルにとってどうか?

なら、別のものにすり替えて虚偽の理由を発表するか?そんなことはアイドルの世界では99%まかり通っている。

場合によっては架空のストーリーで感動を誘い、それでひと稼ぎ出来る。

しかし、アミューズはユイメタルのプライバシーに配慮しつつ、体調が万全になるまで待つという選択をした。批判も浴びた。一時的に株価も下がった。それでも水野由結という将来ある一人のアーティストを守る為、何も語らないという姿勢を貫いたのだ。


およそ10ヶ月の空白期間。ダークサイドはすでに進行している。今の自分にあのステージが務まるだろうか?スーちゃんやモアに追い付けるだろうか?

元気になったはずなのに、日本公演が近づくと....

同じことの繰り返しだった。

「大丈夫だよ。いつまでも待ってるから。焦らなくていいよ」

ううん。これ以上はダメ。だって、ファンのみんなが怒ってる。お父さんやスーちゃんまで酷いこと言われてる。

「そんなの見ないの!気にしちゃダメ。会場に来てくれてるファンの人たちは温かいんだよ。知ってるでしょ?」

........思い出せない。私が知ってるファンの人たちはネットの中で怒声を上げてる....

「そんなのファンじゃない!!」

でも........

・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

日本ツアーも終わり、ユイメタルの脱退表明からひと月が経った11月21日。ギミチョコの作曲者・上田剛士がユイメタルを労うツイートを上げた。

https://www.instagram.com/p/Brma6YYhw6j/
Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 7:12am UTC

脱退が発表された時には、各方面からの驚きや残念がるツイートはあった。関係の濃い彼が、ひと月も経ってからわざわざツイートしたのは、ある程度の詳細を知るに至ったからではないか?

「まだ子供の年齢の彼女達が世界ツアーをやる事はみんなが考える以上にとても大変な事」

これはユイメタルに向けたものではない。彼の立場なら、間接的にでも本人にメッセージを贈ることぐらい出来るはずだろう。

「みんなが考える以上に」

みんなとは、メイトか、冷やかしファンか、こじらせか。

好き勝手言ってるお前らに何が分かる? 国内のビニールハウスで活躍してるグループとは訳が違うんだ。分かってやれよ!

そんなふうに読めるツイートだった。


それでもなお、彼女達がこれについて発言することはないだろう。BMがその想いを伝える手段は、SNSでもトーク番組でもない。ライブだけなのだから。


※続く

BABYMETALの2018年を振り返る③

アミューズからの警告】

多分、2018年5月頃、つまりアメリカツアーの最中だったと思う。アミューズ公式HPに次のような「お知らせ」が掲載された。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

大切なお知らせ

ファンの皆様へ お知らせとご注意

ソーシャルメディア上での迷惑行為に関して

弊社所属アーティスト及びスタッフが運営・管理しておりますソーシャルメディアアカウントにおきまして、アーティストに対する誹謗中傷・風説の流布・他ユーザーに対する敵対的な発言・節度を越えた連続投稿などの迷惑行為が一部で発生しております。

弊社ではそうした事案が確認された場合、大変残念ではございますがアカウントのブロック、またはサービス提供者に対するアカウント凍結申請などの対応を取らせていただくことがございます。

また、発言内容が弊社アーティストまたはスタッフへの脅迫、名誉毀損、営業妨害、業務妨害等に該当すると判断した場合は、法的な措置を執ることも検討いたします。

弊社ではソーシャルメディアを、ファンの皆さまへの情報発信及びファン同士の方々の交流の場として位置づけ、今後も積極的に活用させていただきたいと考えております。しかしながら、上記のような迷惑行為が頻発する場合には、ソーシャルメディアアカウントの閉鎖も含め対応を検討せざるを得ないこともご理解頂ければ幸いです。

どうかルール・マナーを守った上でのご利用をお願いいたします。

・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

お知らせとご注意、と柔らかいタイトルではあるが、内容的にはかなり厳しい姿勢をうかがわせている。アミューズは非常に多くのタレントを抱えているから、これが即、BMに関わるものだとは断定しにくい。

が、「アーティストまたはスタッフへの脅迫....」となると、KOBAMETALとこじらせ達の関係を連想してしまうし、何より掲載のタイミングが、アメリカツアーでのユイメタルの件と妙に符合してしまう。

さらに、タレントや俳優女優ではなくアーティストとなると、名の知れた該当者はかなり限定されてくるし、男性アーティストの面々を見渡すと、今さらSNS等の風評に著しく傷つけられるように思えるヤワな面子は見当たらない。

が、この時はあまりユイメタルの件と強く関連付けて意識することもなかった。



【神々の意味深ツイート】

アメリカツアーが終わり、欧州第1弾となるドイツ・ROCK an RINGフェスを控えた日本時間6月1日、神バンドの大村とBOH、そしてマニピュレーターの宇佐美の3人が、Twitterで同じ話題を投稿した。

https://www.instagram.com/p/Brl4qJ0BN5V/
Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 2:13am UTC

https://www.instagram.com/p/Brl4v71BNVv/
Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 2:13am UTC

https://www.instagram.com/p/Brl434BhtGx/
Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 2:15am UTC

これは、あるプロ野球選手がネット上で名誉を傷つけられたとする匿名の書き込みに対し、相手を特定して訴訟を起こしたというエピソードに絡めた法律相談のような記事を大村がリツイートし、さらにBOHと宇佐美がこれに続いたものだ。

このメンバーが足並みを揃えるとなると、アミューズの警告文以上に、BM絡みの案件であることは否定し難いと思うが、どうだろう。

この時も、あまり強く意識はしなかったのだが、改めて振り返ってみると、前項のアミューズ警告文との絡みや、5月のユイメタル欠場からの時系列から見て、恐らくなんらかの内情を知っているはずの彼らが、揃ってこうしたツイートを上げた背景というものを考えてしまう。


さらにもう1点、やはり今さら意味深に思えてくるBOHのツイートを思い出した。

https://www.instagram.com/p/Brl5BOFh0Hq/
Instagram post by OCEAN • Dec 20, 2018 at 2:16am UTC

「どうしようもない不満や不安、やり場の無い怒りを感じる事もある。そこをどう乗り越えるかが生きることの醍醐味の一つなのかなと思います」

日付は10月14日。ユイメタルの脱退と新体制を告げるTHE ONEメールが一斉配信されたのはこの5日後の19日だった。神メンバーにそれが伝えられたのがそのあたりだったことは容易に想像がつく。

悲しみや無念ではなく、どうしようもない不満や、やり場のない怒りとは?と、その時も真意を計りかねた。

しかし、やはり....と思ってしまうのだ。

こじらせアンチとまではいかなくとも、メイトの中でもアイドルファン寄りの層からは、TVに出ないならせめてブログかSNSを解禁させて欲しいという要望は以前から強い。それでもメンバー3人は一切そうした「ファンとの距離を縮める」活動をしてこなかったし、相変わらずこじらせ連中やそれに準ずるファンの一部からは「本人達はやりたがってるのに、KOBAが押さえ付けている」と、根拠のない妄想に怒りを募らせていた。

BOHをはじめとする神メンバー達も、以前はBMの話題を気軽に書いたり話したりしていたが、2016年の欧州ツアー帰国後からピタリとその話題を封印した。

これも、やりたがっているのはメンバー本人達ではなく、そう言ってる連中自らの願望なのだ。アイドルというものは気軽に会いに行ったり握手したり出来るものだという、安い価値観を彼女達に押し付けたがる連中の。

運営サイドがそれを封印するのは、押さえ付けているのではなく、そういった連中から守る為だろう。恐らく、BOH達がそれにならったのは強制された訳でなく(それならもっと早い段階でNGにしていたはず)、BMサイドの意図を理解した上で、サポートの自分達がそれを差し置いてあれこれ語ることを控えたのだと思う。


BMは間違いなく、インターネットの申し子である。マスメディアに組みすることなく、これだけ急速な世界進出を可能にしたのは、もちろんライブ現場での勝利を積み重ねてきたからではある。しかし、その様子がリアルタイムで世界に届く時代でなかったら、今のBMにはなり得ていない。

けれど逆に、インターネットは彼女達を殺すことも出来てしまうのだ。


※続く

BABYMETALの2018年を振り返る②

【事前アナウンスの欠如】

ダークサイドの演出とサポートダンサーによるフォーメーションは、急ごしらえで出来るものではない。4月1日の告知の時点で、すでにユイメタルのツアー欠場が決まっていながらアナウンスをしなかった....という批判は多いし、当初は自分も首を傾げた。

が、直前までユイメタルの復帰が予定されていたとしたらどうか?セットリストやフロントの陣形に手を入れながら、急きょ「新たなお告げ」を追加したとしたら。

もちろん、それがアナウンスなしで欠場しても許されるという言い訳にはならない。しかし、欧米ツアーのワンマンライブにおけるポスターやフェスの写真には3人の過去の写真が使われていたし、そのあたりの許諾に関してこだわりの厳しいBM運営サイドは、何も訂正を促していなかった。赤いフードとマントの7人のうち、スーモア2人だけが顔を覗かせた宣材画像が用意されたのは、ユイメタルの正式な脱退と新体制が決まってからである。

https://www.instagram.com/p/Brj_6iEhVId/
Instagram post by OCEAN • Dec 19, 2018 at 8:38am UTC

ツアー直前でユイメタル抜きのフォーメーションに変更せざるを得なくなったとして、その件についての説明ぐらいは、いくらKOBAMETALが好き勝手やっていようと、上場企業のアミューズが全く配慮しない訳はないと思う。どんな形であれ、彼女の欠場を喜ぶファンはいないにせよ、広島公演のときのように一定の理解を得るためのアナウンスはあって然るべきだった。

では、理由はともかく、一定の理解を得るための説明とは、どんなものか?

①いつまで欠場するのか、いつ頃復帰するのかをはっきりさせる。

②体調不良の病名なり症状を明かす。

最低でもこのどちらかがなければ、広島以来の不在に納得する者はいまい。

とすると、アミューズが公式アナウンスをしなかったのは、予定外の急な事態だったことに加えて、詳細の発表を控えたい事情があり、そこをカバーするだけの策を練る時間的猶予もなかったのではないか。

自分は2016年以来のファンカムでたまに見受けられた、ユイメタルが腰を庇うような動きから、激しいダンスによる頸椎や背骨の故障を疑った。自身の経験から、完治が難しく、治ったり急に悪化したりする症状が、欠場の期間や復帰時期を明言しにくくさせているのだと思ったからだ。けれど、それなら②病状を説明しない理由にはなりにくい。

理由を公表したくないのなら、他に何らかのアナウンスをしないことには、ファンの動揺と批判が増すのは目に見えていた。無言を貫くことが「世界観を壊したくない」というKOBAMETALの強いこだわりによるエゴだと受け止めたメイトは多く、これではかえってネガティブな風評を煽る結果を招くだけだと、「箱推し」「盲目信者」である自分でさえ、運営サイドの姿勢には得心がいかなかった。実際、ネットでの流言飛語は肥大化する一途をたどるばかりとなった。

それでもなお、株主総会での畠中社長は詳細を明かそうとしなかった。実際にその場にいた訳ではないが、参加者のTwitterで報告されたやり取りの内容からは、答えに窮して口ごもるというような様子ではなく、例え批判されようともそれに関して言明しないという強い意思を感じさせるものだった。

そこまでして症状や病名の公表を控えたのだとしたら、それは一体どんなものだったのか。



【ネットの風評】

はっきりしたアナウンスがないことで増大していった、ユイメタルに関するネット上のネガティブな風評は様々あったが、その殆どは全くソースも根拠も欠いた悪意によるものばかりが目立った。

中でも、不安にかられるファン心理につけ込んで「或いはそうかもしれない....」と惑わせるものの一つに、「広島以前からユイメタルはBMを辞めたがっていた」というものがあった。これは重音部以来、ユイモア2人にずっとつきまとってきた噂で、どちらかと言うと古くから2人を応援していたアイドルファンによる"願望"に近い。それが思い通りにならないことへの不満からアンチ化していったヲタク層のことを「こじらせ」と呼ぶのだそうだ。

元々、重音部はさくら学院を卒業するまでのユニットであり、卒業後はそれぞれソロの活動をするという前提であったことは、3人も自覚していた。

当時のその前提の中で本人たちが口々に将来の夢や目標を語るのはごく自然なことだったが、既存のアイドル路線から反れていくBMに失望し、特にユイモアの2人に対して通常のバラエティタレントのような活動を期待していたファンの一部は、当時の発言を金科玉条のごとく掲げて、2人が無理矢理BMの存続に縛り付けられていると主張してきた。

けれど、選択肢が限定されていた11歳~13歳頃の発言をいつまでも言質にしたところで、年齢と共に状況も考え方も変わっていくのは当然だし、アミューズKOBAMETALは何度も彼女たちとの意志疎通を図りながら、BMの展開にも段階的なステップを踏んできたのだ。
 
その過程で何度もインタビュー等で世界征服の夢や、BMとしての3人の絆や情熱を語っているが、こじらせ達にとっては、昔の発言が彼女達の本音で、その後の発言は全て無理矢理言わされたもの、ということになってしまう。

これに加えて、「スーメタルばかりが目立って、引き立て役としての扱われ方に嫌気がさした」という作り話も多い。

そうした軋轢や不満の鬱積から精神を病んでいったのだとする説も、結局は他のガラパゴスアイドル達の脱退や解散劇が日常茶飯事の芸能界と同じ視点でしかBMを見ていないが故の妄想でしかない。

人気投票でセンターポジションが入れ替わったり、順位付けによるヒエラルキーに終始さらされるグループと違い、BMのステージはプロフェッショナルなスキルとプライドを持つ7人全員が一体となって作り上げてきたし、どの場面においてもそれぞれが称賛の対象となってきた。

流動的な好感度や人気先行の物差しだけで浮き沈みする土壌からとっくにBMは抜け出しており、その代わり、なんの保証も勝算もない道なき道を、チーム一丸となって歩んできたのだ。

BMは間違いなく日本の芸能界、J-POPアイドルの系譜に連なる進化形態だ。けれど、その方法論もベクトルも、活動しているフィールドも、それを作り出している会社の土壌も、何から何まで他のアイドルグループとは全く別次元なのだ。それを同一視して、自分達の矮小化された物指しに無理矢理押し込めようとするあまり、低俗な誇大妄想に囚われてしまっている こじらせ達には、恐らく一生その価値は分からない。

自分がユイメタルの欠場理由は身体的な故障によるもので、ネットで言われてるような精神的なものとは考えにくいとしてきたのは、そうした背景からだった。


しかし、である。


一方で、「そんな風には考えたくない」と思う心理が心の隅にあったのも事実だった。

身体的な故障であれば、症状を伏せなければならないとは思えない。もちろん、どんな病名であれ個人情報保護の観点から、それを公表しないという方針だとすれば、アミューズのような社会的に開かれたグローバル指向の企業なら当然かもしれないが。

しかし、BMは世界展開を目指すアミューズにとっても、今や創立以来の大きな展望の懸かったプロジェクトである。それだけに、国内外からの注目と批難が集まる中で、頑なにこの件について明言をしなかったのは何故なのか。


アイドルの宿命として、容姿に関するネットの風評が付きまとうのは避けられない。

彼女達にも「激ヤセ」「激太り」という声が絶えず言われてきた。

重音部結成当初は、年齢よりも幼く見える2人がまるで双子のように可愛らしく、当時のアイドル人気をスーメタル以上に得ていたのではと思う。

ほぼ同じ身長でスタートし、成長段階で「1㎝勝った!」「2㎝追い越した!」とはしゃぐ姿が動画サイトにも残っているが、決して身長が高い訳でもないスーメタルを頂点に、三角形のシルエットを保つために、3人の靴のヒールはその都度高さを調整してきた。

そんな中、ネットでは常に、「モアが太った」だの「ユイが痩せた」だのと、いかにも一般的なアイドルファンが好むような話題が少なくなかった。


2015年12月の横アリ後、ヴォーグその他のファッション誌による受賞が相次ぎ、珍しく年末のメディアに3人の画像が流れる機会が多かった。

その当時にネットで囁かれたのが、ユイの激ヤセだった。他の場面で撮られたものも含めて、確かに当時の急な痩せ方は少し心配になるほどだった。


翌年は4月のウェンブリー公演に始まり、東京ドームまで快進撃が続いたが、そこでのユイメタルはかつてのふっくらほっぺも取り戻し、いつもと変わらなく見えた。ただ、6月のドイツ公演の時に、会場が空調の故障かなにかで酷い暑さだったらしく、そこでのファンカムに明らかに動きの鈍いユイの姿が写っていた。また、終演後に演者かスタッフの誰かが救急車で運ばれたという話が流れたが、特に何の発表もなくツアーは続けられた。

この頃から、海外ツアー中のワンマン(ウェンブリーを除く)や、国内小ホールでのライブの時間が極端に短くなり始め、恐らくユイの身体的な問題ではないかと思ってはいた。


2017年には5大キツネ祭りのさ中、公演後に3人の写真がアップされる度に、ユイメタルのふっくらした丸顔と決してスタイルが悪い訳ではないシルエットに、「太った」「太った」というデリカシーのない馬鹿な書き込みが相次いだ。


※続く